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昼飯から三時間とたたないうちに夕飯をすませて、私は一人下田の北へ橋を渡った。下
田富士によじ登って港を眺めた。帰りに甲州屋へ寄ってみると、芸人たちは鳥鍋で飯を食
っているところだった。
「一口でも召し上がって下さいませんか。女が箸を入れてきたないけれども、笑い話の
種になりますよ。」と、おふくろは行李から茶碗と箸を出して、百合子に洗って来させた。
明日が赤ん坊の四十九日だから、せめてもう二日だけ出立を延ばしてくれと、またして
も皆が言ったが、私は学校を楯に取って承知しなかった。おふくろは繰り返し言った。
「それじゃ冬休みには皆で船まで迎えに行きますよ。日を知らせて下さいましね。お待
ちしておりますよ。宿屋へなんぞいらしちゃいやですよ、船まで迎えに行きますよ。」
部屋に千代子と百合子しかいなくなった時活動に誘うと、千代子は腹を押さえてみせて、
「体が悪いんですもの、あんなに歩くと弱ってしまって。」と、あおい顔でぐったりして
いた。百合子はかたくなってうつむいてしまった。踊子は階下で宿の子供と撸Г螭扦い俊
私を見るとおふくろにすがりついて活動に行かせてくれとせがんでいたが、顔を失ったよ
うにぼんやり私のところにもどって下駄を直してくれた。
「なんだって。一人で連れて行ってもらったらいいじゃないか。」と、栄吉が話し込んだ
けれども、おふくろが承知しないらしかった。なぜ一人ではいけないのか、私は実に不思
議だった。玄関を出ようとすると踊子は犬の頭をなでていた。私が言葉を掛けかねたほど
によそよそしいふうだった。顔を上げて私を見る気力もなさそうだった。
私は一人で活動に行った。女弁士が豆洋燈で説明を読んでいた。すぐに出て宿へ帰った。
窓敷居に肘をついて、いつまでも夜の町を眺めていた。暗い町だった。遠くから絶えずか
すかに太鼓の音が聞こえて来るような気がした。わけもなく涙がぽたぽた落ちた。
第七章
29
艺人们热情地向住在同一家客栈的人们打招呼。他们也尽是些艺人和跑江湖的。下田港
就像是这种候鸟的窝一样。舞女拿铜板给客栈那些蹒蹒跚跚地走进房间来的小孩。我要离开
甲州屋的时候,舞女抢先跑到门口,替我摆好木屐,自言自语似的低声说道:
“请带我去看电影吧。”
我和荣吉请一个无赖汉模样的男子带了一段路,到了一家旅店,据说老板便是前镇长。
洗完澡,我和荣吉一起吃了有鲜鱼的午饭。
“拿这个买些花,明天做法事的时候上供吧。”
说着,我拿出一包数目极少的钱来,让荣吉带回去,我必须乘明天早晨的船回东京去。
我的旅费已经用光了。我说学校里有事,所以艺人们也不好强留我了。
午饭后还不到三个小时就吃了晚饭,我独自一人过了桥,向下田北面走去,登上下田的
富士山,远眺海港。回去的路上,我顺便去了一趟甲州屋,看见艺人们正在吃鸡肉火锅。
“您不尝尝?哪怕只吃一口。虽然女人动过筷子不干净,但以后可以当作笑料嘛。”说着,
妈妈从行李中取出碗筷,让百合子去洗。
大家又劝我说,明天是小宝宝的断七日,无论如何再推迟一天动身;可是我把学校当作
挡箭牌,没有答应。妈妈不住地说道:“那么寒假的时候大家到船上去接您。请通知我们日期。
我们等着您。别去住旅馆。我们到船上接您。”
房间里只剩下千代子和百合子的时候,我邀她们去看电影,千代子用手按住腹部,说道:
“我身体不好,走那么多路,我吃不消。”她脸色苍白,虚弱无力。百合子则拘谨地低下头来。
舞女正在楼下和客栈的孩子们玩耍。一看见我,她就去央求妈妈准许她去看电影,可结果却
垂头丧气地回到了我的身边,替我摆好木屐。
“怎么了,就让她一个人陪着去不好吗?”荣吉插嘴道,但是妈妈似乎不答应。为什么
一个人不行呢?我实在搞不明白。我走出大门的时候,舞女抚摸着小狗的脑袋。她显得那样
冷漠,我都不敢跟她搭话。她好像连抬起头来看我的气力也没有了。
我一个人去看电影。女解说员在煤油灯下读着说明书。我立刻走了出来,返回旅店。我
把胳膊肘支在窗台上,久久眺望着夜空下的小镇。小镇黑漆漆的。我觉得似乎有鼓声不断地
从远处隐隐约约传来。无缘无故地,我的泪水扑簌簌地滚落了下来。
第七章
30
出立の朝、七時に飯を食っていると、栄吉が道から私を呼んだ。y附の羽織を着込ん
でいる。私を送るための礼装らしい。女たちの姿が見えない。私はすばやく寂しさを感じ
た。栄吉が部屋へ上がって来て言った。
「皆もお送りしたいのですが、昨夜おそく寝て起きられないので失礼させていただきま
した。冬はお待ちしているから是非と申しておりました。」
町は秋の朝風が冷たかった。栄吉は途中で敷島四箱と柿とカオ毪趣い谥星鍥鰟垽
を買ってくれた。
「妹の名が恕扦工椤!工取ⅳ工诵Δい胜檠预盲俊!
「船の中で蜜柑はよくありませんが、柿は船酔いにいいくらいですから食べられます。」
「これをあげましょうか。」
私は鳥打ち帽を脱いで栄吉の頭にかぶせてやった。そしてカバンの中から学校の制帽を
出してしわを伸ばしながら、二人で笑った。
伌瑘訾私扭取⒑¥铯摔Δ氦蓼盲皮い胗蛔婴巫摔饯涡丐孙wび込んだ。そばに
行くまで彼女はじっとしていた。黙って頭を下げた。昨夜のままの化粧が私を一層感情的
にした。眦(まなじり)の紅がおこっているかのような顔に幼いりりしさを与えていた。
栄吉が言った。
「ほかの者も来るのか。」
踊子は頭を振った。
「皆まだ寝ているのか。」
踊子はうなずいた。
栄吉が船の切符とはしけ券とを買いに行った間に、私はいろいろ話しかけて見たが、踊
子は掘割が海に入るところをじっと見おろしたまま一言も言わなかった。私の言葉が終わ
らない先き終わらない先きに、何度となくこくりこくりうなずいて見せるだけだった。
そこへ、「お婆さん、この人がいいや。」と、土方風の男が私に近づいて来た。
「学生さん、枺─匦肖胜丹毪韦坤汀¥ⅳ螭郡蛞娹zんで頼むのだがね、この婆さんを
枺─剡Bれてってくんねえか。かわいそうな婆さんだ。伜が蓮台寺の銀山に働いていたん
だがね、今度の流行性感冒てやつで伜も嫁も死んじまったんだ。こんな孫が三人も残っち
まったんだ。どうにもしょうがねえから、わしらが相談して国へ帰してやるところなんだ。
国は水戸だがね、婆さん何もわからねえんだから、霊岸島へ着いたら、上野の駅へ行く電
車に仱护皮浃盲皮螭省¥幛螭嗓Δ坤恧Δ省ⅳ铯筏椁证蚝悉铯筏祁mみてえ。まあこ
のありさまを見てやってくれりゃ、かわいそうだと思いなさるだろう。」
ぽかんと立っている婆さんの背には、乳飲み子がくくりつけてあった。下が三つ上が五
つくらいの二人の女の子が左右の手につかまっていた。きたない風呂敷包みから大きい握
り飯と梅干とが見えていた。五六人の鉱夫が婆さんをいたわっていた。私は婆さんの世話
を快く引き受けた。
「頼みましたぞ。」
31
动身那天的早晨七点钟,我正在吃早饭,荣吉从马路上喊我。他穿着一件印有家徽的黑
外褂,这像是为了给我送行而穿上的礼服。不见女人们的身影。一股寂寞的感觉顷刻之间涌
上我的心头。
荣吉走进房间,说道:“本来大家都想来送行的,可是昨晚上睡得太迟,早上起不来,就
让我道歉来了。她们说冬天等着您,您一定要来呀。”
小镇上,秋季的晨风清冷。荣吉在路上给我买了四包敷岛牌香烟、柿子和熏牌口中清凉
剂。
“因为我妹妹的名字叫熏子。”他笑嘻嘻地说道。
“在船上吃桔子不好,柿子对晕船有益