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聞こえるはずのない尾崎に問い掛ける。
「あなたは、まだ死んではいけない。私、死神に同情されちゃったの。あなたが、一番恨んでいる人間を殺す事で私を生き返らせてくれるって。別に私はそこまで生きる事に執着していた訳じゃないけど、でも一人だけ、どうしても許せない奴がいたの。それが、あなた???」
「まぁ、でも、お父さんより、生きる価値があると言ったあなたよりも生きる価値のある私がこの世界に残ってあげる」
そう言った彼女の顔はすっきりしていた。
そして、少女は帰ろうと、振り返った。
すると???。
目の前に一人の青年が立っていた。
その青年の顔が尾崎に会う前の自分に似ていた事に気付いた少女は気付いてしまった。
死神は私に同情していたんじゃ無いんだ。
誰かを恨むものは誰かに恨まれる。私たちは、そんな人間関係の観察を楽しむための死神の玩具(おもちゃ)でしか無かったんだ。
そして、ゆっくりと青年の口から死刑宣告が告げられた。
「明日、貴方を殺します」
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